よくある質問

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モータースポーツ

WPC処理®

Q.WPC処理®はどの様な効果がありますか?

A.1.疲労強度が上がる(壊れにくくなる)
疲労強度は使用状況によって変わりますが、1.2~3倍ほど、物によってはそれ以上に寿命が延びています。
2.滑りが良くなる
レスポンスや操作性向上、燃費向上、油温、水温の抑制をします。 フリクションの低減率でいうと5%以上の効果を発揮した場合もあります。
3.部品の摩耗を抑える(部品寿命の延長)
材質によって違いますが、表面硬度は約1.5~2倍硬くなりますので、摩耗抑制します。
4.オイル保持力が上がる。
WPC処理によってできたディンプルにオイルが溜まりやすくなり、焼付きにくく、滑りが良くなります。またオイルの冷却効果も期待できます。オイルをうまく利用でき、くさび膜、絞り膜効果が発揮しやすい状況になり、部品と部品が接触しにくい混合または流体潤滑状況になり、フリクション低減になります。
などの効果があります。

Q.WPC処理®は新品の部品、中古の部品 どちらに処理した方が良いですか?

A.一番適しているのが、少し当たりの付いた部品です。ですので、新品でもなく、中古でもないのが実のところです。しかしながら、現実は新品か中古部品になりますので、下記の事にご注意し施工依頼下さい。 注意点としては 新品部品に処理する場合は、バリを取り、ペーパーなどを使い、全体的に滑らかにしてから、WPC処理をする方が良いです。
中古部品については、摩耗、破損、亀裂などを良く確認してください。

Q.WPC処理®は寸法変化、歪みはできませんか?

A.WPC処理は寸法変化はありません(厳密に言えば1μ以下で(1/1,000㎜)でマイナス公差になります)
厚さが3mm以下の場合、歪みが出る場合もあります。

Q.WPC処理®は何種類ぐらいの方法があるのですか?

A.WPC処理®は部品の材質や使用状況に合わせ、投射する材質や粒径、投射速度を変えます。
また潤滑性の良い二硫化モリブデン(MoS2)やスズ(Sn)を投射して潤滑皮膜を形成し、摩擦の低減や焼き付き対策ができますので、
部品によって2工程、3工程の物があり、組合せを考慮すると数十種類になります。

Q.どのぐらいの大きさまで処理できますか?

A.ほとんどの自動車用部品であれば、処理は可能です。V12クランクまで施工した事があります。
シリンダーは6気筒以上の場合はお問い合わせ下さい。

Q.内径は処理できますか?

A.WPC処理は貫通している事や長くて細すぎない事など条件はありますが、処理可能です。

Q.部品の一部だけ処理したい場所があります。マスキングできますか?

A.はい、マスキングできます。マスキングはWPC専用マスキングテープを使用しています。部品にマーカーやテープを使ってマスキング箇所をご指示下さい。

Q.ハイパーモリショットとはどういったものですか?

A.一般的にモリブデンと聞くと、硬い素材だと思う方も多いようですが、モリブデンは様々な種類があります。ハイパーモリショットに使用されるモリブデンでは二硫化モリブデンというロウソクのろうぐらい軟らかい材質で、トランプのように積層(1μの中に1600枚)しているものです。これが荷重が掛かると一定方向に滑る事でフリクション低減になります。その他の固体潤滑剤も混合し、二硫化モリブデン単体よりの処理よりも耐熱性、潤滑性が向上する処理です。

Q.WPC処理®の効果が期待できない物は?

A.処理はどんなものでも出来ますが、効果が期待できないものとして次のようなものが挙げられます。
■洗浄が十分に出来ないもの
処理により微細なショット、特に仕上げに使うショットが残ります。通常洗浄すればきれいに落とすことができますが、分解できないベアリングや油穴が複雑でトマリ穴のあるシリンダーブロック等はなかなか完全な洗浄は困難です。
■チル化した鋳物
鋳物の中でも摺動性を上げるために、部分急冷させて非常に硬くてもろいチルという組織を意図的に作る場合があります。車の部品でいうと、カムシャフトがあります。チル化した組織は熱処理であるWPC処理®を受け入れにくいと言えます。削り出しのカムシャフトであれば問題ありません。現在、チル鋳物の標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。
■特殊な表面処理が施されたもの
通常の表面処理であれば問題ありませんが、一部特殊な表面処理をした部品があります。例えばロータリーエンジンのハウジングが挙げられます。硬質クロームのポーラスメッキかと思われますが、このようなものは処理により摺動性を向上させる面を作ることが出来ません。
現在、ロータリーハウジング類の標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。
■金属以外のもの
ゴム、プラスチック部品に二硫化モリブデンショットを施すことにより、摺動性を大幅に高める事ができる可能性があります。

Q.WPC処理®の効果はどの程度持続しますか?

A.WPC処理®は永久に使用できるものではありません。摩耗等により処理部は少しずつなくなってきます。しかし、有効な処理がなされていれば寿命は1桁以上の向上がなされますが、再処理が必要な場合があります。
WPC処理®の効果は処理それ自体の効果と初期なじみの向上があります。初期なじみが有効な場合は、処理部がなくなった場合でも、十分な摺動性が確保されより長寿命が確保されます。
疲労強度は使用状況によって変わりますが、1.2~3倍ほど、物によってはそれ以上に寿命が延びています。

Q.一度WPC処理®をしました。再度WPC処理はできるのですか?また効果はでますか?

A.WPC処理は何度でも処理可能です。ハイパーモリショットなどは使用していると処理効果が少しずつ低減しますので、再処理することで、効果を持続させることが出来ます。

DLCコーティング

Q.DLCコーティングとはどのようなものですか?

A.DLCはダイヤモンドライクカーボン(DLC : Diamond-Like Carbon)の略称で、ダイヤモンドに近い硬さ、平滑な表面を有しているところから耐摩耗性や潤滑性能(特にオイルが切れやすいドライ潤滑環境下に差が出ます)が優れています。レース以外の量産車でもエンジン、ミッション、サスペンション部品などに使用されつつある硬質薄膜です。実際には、部品の材質や使用状況に合わせた膜種の選択が重要になっています。

Q.どうしてWPC処理®+DLCコーティングなのですか?

A.DLCコーティングのみでは、疲労強度はさほど向上しません。WPC処理®をしてからDLCコーティングすることで、疲労強度、膜の密着性、オイル保持力を向上させる事ができるため、WPC処理との複合処理は必須となります。

Q.DLCコーティングによってひずみや寸法変化は出ませんか?

A.DLCコーティングでは1~3um程度の皮膜を形成するので、両面(径)では2~6um程度厚くなります。施工温度が約200℃のため、基本的には歪みはないと考えられますが、部品の焼き戻し温度によっては歪みが出る場合もあります。

Q.DLC被覆の効果はどの程度持続しますか?

A.DLC被覆は永久に使用できるものではありません。摩耗等により処理部は少しずつなくなっていく場合もありますが、部品によってはかなり長期的に使用できる物もあります。

Q.DLCコーティングは新品の部品、中古の部品 どちらに処理した方が良いですか?

A.一番適しているのが、少し当たりの付いた部品です。ですので、新品でもなく、中古でもないのが実のところです。しかしながら、現実は新品か中古部品になりますので、下記の事にご注意し施工依頼下さい。
注意点としては
新品部品に処理する場合は、バリを取り、ペーパーなどを使い、全体的に滑らかにしてから、コーティングをする方が良いです。
中古部品については、摩耗、破損、亀裂などを良く確認してください。虫食いや摩耗により段差がでてしまったような部品にDLCコーティングはお勧めできません。

Q.DLCコーティングされた部品は鏡面状態になっていましたが…

A.DLCコーティングの部品はコーティング前にWPC処理を行ってから、3Dラッピング(特殊工程の磨き処理)を行っております。
DLCコーティングは非常に硬いので、表面に突起物があると相手を攻撃する場合があります。そのため、突起物だけ除去し、ディンプル(凹み)を残す3Dラッピングを行います。WPC処理の効果も残っております。

Q.再コーティングはできるのですか?

A.基本的には出来ません。

Q.どのぐらいの大きさまで処理できますか?

A.通常であれば、Φ250*800L。それ以上の大きさについては図面をお送り頂ければ、対応可能か回答致します。ハーレーのフロントフォークもコーティング可能です。

Q.内径は処理できますか?

A.DLCコーティングはほぼ内径にコーティングできません。

Q.DLCコーティングができない、または適さない部品は?

A.基本的に導通性がないとコーティングできません。またカーボンと反応しない材質もコーティングできません。
アルミ(レース車両以外のピストン、メタル等)、鋳鉄部品(シリンダー、カム、ピストンリング(2stやセカンドリング等)、銅(ブッシュ)、焼結部品(オイルポンプ)  ※メッキの場合、コーティングできますが、剥がれる場合があります。

Q.DLCコーティング後に磁性を帯びる事はありますか?

A.弊社のDLCコーティングはメタルを含有しない為、磁性を帯びる事はありません。

食品

Q.テフロンコーティングの剥離で困っているのですが、WPC処理の剥離は無いのですか?

A.WPC処理はコーティングとは異なり、表面改質処理の為、剥離がありません。
異物混入のリスクを避ける為食品業界から近年爆発的にご依頼が増えております。

Q.WPC処理の利点は?

A.食品の離型性向上(特に油を使う材料には効果抜群です)、異物混入リスク低減など。
またコーティングでは無いので剥離が無く、人体への影響が皆無である事です。

Q.逆にWPC処理のデメリットは?

A.一対で使用する金型の場合は、双方に処理する事をお勧め致します。 片側だけの場合、「未処理側に凝着して困った」と言う事例が御座います。

Q.具体的な依頼品(採用実績)は?

A.カップ麺の金型(カップ形状)や具材を搬送するシューター、充填用ホッパー、計量バケット、押し出し金型等で採用頂いております。

Q.具効果が期待できない食品は?

A.ペースト状の食品(ジャムなど)には顕著な改善効果は見られませんでした。

Q.品質に対する取り組みは?

A.加工品の発送時はホッチキス、輪ゴム、クリップなど異物の要因となるものは使用しないようにしております。

Q.WPC処理の安全性に対する取り組みは?

A.食品器具及び容器に対してWPC処理の安全性についてテスト確認済みです。FDA(Food & Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)については別途お問い合わせください。

Q.一度試してみたいのですが・・・

A.当社にワークをお送り下さい。また可能であれば相手部材(食品等)も送って頂く事により当社で評価、最良の表面を形成してお返しする事も可能です。
*電話/メール等で事前のお打合せは必要です→お問い合わせフォーム

医療

Q.テフロンテープをガイドやシューターに貼り付け薬品を搬送していますが、テープが剥がれてしまい異物対策に困っています。

A.搬送させる薬にもよりますが、錠剤搬送ではテフロンテープの代替えで採用頂いた実績が御座います。
異物混入のリスク低減、テープ張替え作業が無くなる等メリットが大きいとご評価頂いております。

Q.WPC処理の利点は?

A.コーティングでは無いので剥離が無く、異物混入リスク低減。また人体への影響が皆無である事です。

Q.逆にデメリットは?

A.現時点ではその様なお話は頂いておりません。

Q.具体的な依頼品(採用実績)は?

A.腹腔鏡手術処置具、インプラント部品、チタンボルト、人工骨、錠剤成形用金型、理容ばさみなど。

Q.効果が期待できないものは?

A.現時点ではありませんが、疲労強度向上、しゅう動性向上でご検討頂く価値は十分にあると思います。

Q.WPC処理の安全性に対する取り組みは?

A.食品器具及び容器に対してWPC処理®の安全性についてテスト確認済みです。FDA(Food & Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)については別途お問い合わせください。

Q.一度試してみたいのですが・・・

A.食当社にワークをお送り下さい。当社で最良の表面を形成してお返し致します。
電話/メール等で事前のお打合せは必要です。→お問い合わせフォーム

工業

Q.WPCやDLCなどの表面改質とはどのようなものですか?

A.表面改質とは各種部品(材料)の表面に加工を施して、部品(材料)を高機能化(強度を上げる、傷つきにくくする、滑りをよくする等)する処理です。表面改質には、
(1)部品(材料)の表面を変化させるもの、
(2)表面に皮膜を形成するもの、
の2つの方法があります。

(1)部品(材料)の表面を変化させるものは、材料の特性によるので高機能化の内容に制限がありますが、(2)などで問題となる剥離などは起きません。熱処理、WPC処理®はこの方法です。
モータースポーツ向けWPC処理®
工業向けWPC処理®

(2)表面に皮膜を形成するものは、特性を自由に加えることができますが、元の部品(材料)との間に界面(境界)があるために、膜の剥離などが生ずる可能性があります。化成処理、メッキ、薄膜形成などはこの方法です。
モータースポーツ向けDLCコーティング
工業向けDLCコーティング

Q.処理の目的は?

A.WPC処理®は、金属表面処理の一種で金属の疲労強度向上と摺動性向上を主目的に処理されます。

では「疲労強度向上」とはいったい何のことでしょうか?金属は繰り返し力がかかるとだんだん強度が落ちてきます。例えば、材料の最初の強度が100とした場合、100より大きな力がかかると壊れます。逆に100以下の力であれば壊れません。しかし、50や60という強度的には壊れるはずがない力でも、それが何万回、何億回と繰り返しかかることにより壊れてしまうことがあります。これが金属疲労です。また、バネがヘタる(弱くなる)のも金属疲労が原因です。

ここがポイント!WPC処理®は金属の強度を上げるのではなく、この金属疲労に対して非常に強くなります。ですから、ある力が加わると1回で壊れてしまう部品に処理をしても、壊れなくなる可能性は少ないと言えます。これは、材料の強度が足りないからです。逆にしばらくは持つけど何回かすると壊れてしまう部品に処理すれば寿命が延びたり壊れなくなる可能性は大きいと言えます。

「摺動性向上」とは、滑りを良くして、摩耗を減らすということです。摺動抵抗の低減により車のパワーは僅かに上がりますが、大幅なパワーアップは期待しない方が良いでしょう。 それよりも、摩擦熱の減少、焼き付き防止による耐久性の向上、レスポンスの向上が期待できます。

Q.WPC処理®とはどのようなものですか?

A.WPC処理®は40~200ミクロンの粒子を、材料に対して100m/sec以上の高速で投射し、表面を加工する処理です。ショットピーニングの一種ですが、粒子が小さく投射速度が速いため、様々な効果(疲労強度の向上、耐摩耗性の向上等)や新しい機能(表面に凹凸を形成し潤滑機能を向上する等)を材料表面に付け加えることができます。
モータースポーツ向けWPC処理®の効果
工業向けWPC処理®の効果

Q.DLCとはどのようなものですか?

A.DLCはダイヤモンドライクカーボン(DLC : Diamond-Like Carbon)の略称で、ダイヤモンドに近い硬さ、平滑な表面を有しているところから耐摩耗性や潤滑性能が優れていることから、加工用工具、歯車などの構造部材などに広く使用されつつある硬質薄膜です。実際には、作製方法の違いにより様々な種類があり、使用目的や使用材料に合わせた膜種の選択が重要になっています。
モータースポーツ向けDLCコーティング
工業向けDLCコーティング

Q.WPC処理®やDLCの産業応用はどの様なものがありますか?

A.WPC処理®は、バネ材や構造材などの疲労強度の向上や表面硬化による耐摩耗性の向上に用いられています。また、金型などの表面形状形成による寿命の延長も実現されています。
DLC処理は、歯車(ギヤ)などの摺動部の低摩擦や耐摩耗性の向上に効果があります。
WPC処理®
DLCコーティング

Q.WPC処理®はどの様な効果がありますか?

A.WPC処理®は投射する粒子の硬さや延性と投射される(処理される)部品(材料)の硬さや延性によって効果は異なります。即ち、投射する材料(メディア)を選ぶことにより必要な効果(機能)を付加する事が可能です。

主として
(1)比較的硬い部品(材料)により硬い材料で処理をすると表面が硬くなり残留応力が増加するため耐摩耗性や疲労強度が向上します。
モータースポーツ向けWPC処理®
工業向けWPC処理®

(2)硬い部品(材料)に軟質かつ延性材料で処理すると投射した材料の被覆が出来ます。例えば、二硫化モリブデン(MoS2)やスズ(Sn)を投射してMoS2、Snの皮膜を形成し、摩擦の低減や焼き付き防止が可能です。
モータースポーツ向け二硫化モリブデンショット
工業向け二硫化モリブデンショット
モータースポーツ向けハイパーモリショット®

(3)軟質・延性部品(材料)に軟質・延性材料を投射するとそれぞれの複合組織が形成されます。
アルミニウム合金へのDLC被覆のための下地処理に用いられています。本技術は開発中の技術であり、アルミニウム合金の耐摩耗性ほか銅合金、マグネシウム合金やチタン合金等の各種材料への応用が考えられます。
モータースポーツ向けDLCコーティング
工業向けDLCコーティング

(4)投射する粒子の硬度や粒径を選ぶことにより表面に細かい凹凸(マイクロ・ディンプル)が形成されます。マイクロ・ディンプルは摺動部とりわけ油潤滑の場合油ダマリの効果により摺動性、耐焼き付き性を向上させ、摺動材料の低摩擦化、金型寿命の向上などが実現されます。また、DLC被覆の下地処理として密着性向上も検討されています。
モータースポーツ向けWPC処理®
工業向けWPC処理®

Q.WPC処理®による表面硬化の機構は?

A.疲労(金属疲労)は、振動などで材料に繰り返し引っ張る力がかかることで発生します。材料が変形しないような小さな力でも、微視的に見れば表面から小さな割れが発生し、少しずつ進行して壊れる現象です。現在では、(金属)材料の壊れる原因の80%以上が疲労破壊といわれています。WPC処理®は、(金属)材料の表面に大きな圧縮応力を加えます、圧縮応力により引っ張る力を低減することができます。また、WPC処理®により金属材料の微細化が出来るため、疲労破壊のきっかけとなる、表面の微細な切欠けや硬さの不均一を無くす効果もあります。

材料の硬さも圧縮残留応力と金属組織の微細化に関係しています。圧縮残留応力と硬度は相関していて応力が入ると硬度が高くなります。また、金属組織のサイズと硬度も関係があり(ホール・ピッチの法則)組織が微細化すると同様に硬くなります。一般に、材料が硬くなると脆くなりますが、結晶粒の微細化による硬化は脆くなりません。従って、WPC処理®による表面硬化は、傷がつきにくく疲労破壊に対しても有効です。

更に詳しい説明は技術資料 をご確認ください。

Q.WPC処理®やDLC被覆によってひずみや寸法変化は出ませんか?

A.WPC処理®やDLC被覆などの表面改質による歪や寸法変化は、問題にするレベルに依ります。DLC被覆では1um程度の皮膜を形成するので、両面では2um程度厚くなります。また、WPC処理®では条件に寄りますが、積極的に凹凸を形成しますので凸部の分の形状の変化があります。基本的には、歪や寸法変化はないと考えられますが、ミクロン・メータ(um)レベルの変化を問題にする場合は、処理前後の計測が必要となる場合があります。

Q.WPC処理®の可能な物は?

A.金属であれば、ほとんどのものが処理可能です。例えば、ギヤのような鋼、ピストンのようなアルミ及びアルミ合金、オイルポンプのような焼結合金、クランクシャフトのようなダクタイル鋳鉄、メタルのようなスズや鉛の合金、そのほか、チタン合金などなど。さらに、硬質クロームやTiN等のメッキや、窒化、浸炭などの表面処理の上に処理する事により相乗効果が発揮されます。また、メッキ等の前処理にWPC処理®をすると、密着性がよくなります。

Q.WPC処理®の効果が期待できない物は?

A.処理はどんなものでも出来ますが、効果が期待できないものとして次のようなものが挙げられます。

■洗浄が十分に出来ないもの
処理により微細なショット、特に仕上げに使うショットが残ります。通常洗浄すればきれいに落とすことができますが、分解できないベアリングや油穴が複雑でトマリ穴のあるシリンダーブロック等はなかなか完全な洗浄は困難です。

■チル化した鋳物
鋳物の中でも摺動性を上げるために、部分急冷させて非常に硬くてもろいチルという組織を意図的に作る場合があります。車の部品でいうと、カムシャフトがあります。チル化した組織は熱処理であるWPC処理®を受け入れにくいと言えます。削り出しのカムシャフトであれば問題ありません。現在、チル鋳物の標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。

■特殊な表面処理が施されたもの
通常の表面処理であれば問題ありませんが、一部特殊な表面処理をした部品があります。例えばロータリーエンジンのハウジングが挙げられます。硬質クロームのポーラスメッキかと思われますが、このようなものは処理により摺動性を向上させる面を作ることが出来ません。
現在、ロータリーハウジング類の標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。

■金属以外のもの
ゴム、プラスチック部品に二硫化モリブデンショットを施すことにより、摺動性を大幅に高める事ができる可能性があります。

Q.WPC処理®やDLC被覆の効果はどの程度持続しますか?

A.どの様な処理も同じですが、WPC処理®やDLC被覆は永久に使用できるものではありません。摩耗等により処理部は少しずつなくなってきます。しかし、有効な処理がなされていれば寿命は1桁以上の向上がなされますが、再処理が必要な場合があります。
WPC処理®やDLC被覆の効果は処理それ自体の効果と初期なじみの向上があります。初期なじみが有効な場合は、処理部がなくなった場合でも、十分な摺動性が確保されより長寿命が確保されます。

Q.どのぐらいの大きさまで処理できますか?

A.通常であれば、WPC処理はΦ800*400Hぐらい。φ100以下であれば3000ぐらいまで処理可能です。DLCコーティングはΦ250*800L。それ以上の大きさについては図面をお送り頂ければ、対応可能かご連絡します。

Q.内径は処理できますか?

A.WPC処理は貫通しているか、長さなど条件はありますが、処理可能です。 DLCコーティングはほぼコーティングできません。

Q.食品、医療、薬関連の部品に使用しても害はありませんか?

A.WPC処理は表面改質ですので、コーティングのように剥がれることはありません。※フッ素コーティングではコーティングの剥がれから異物混入の問題になっているため、代替えの処理として採用が増えています。 DLCは炭素のコーティングですので、人体と反応しません。実際に人体と接触する医療器具にも採用されています。 公的機関にて安全が確認されています。

Q.DLCコーティングができない材質は?

A.基本的に導通性がないとコーティングできません。

Q.ステンレスへ処理を行った場合、錆びたりしませんか?

A.ステンレスにWPC処理、DLCコーティングを行っても錆を促進させることはありません。

Q.保証期間は有りますか?

A.保証期間は特にありません。当社が処理を行いました製品について、何かありましたら「お問い合わせ」フォーム、又は電話(042-707-0776)よりお問い合わせ下さい。

クリックすると回答が表示されます。

Q.依頼の方法は?

A.お電話か、お問い合わせページからご連絡下さい。また、依頼書フォーム にご記入頂き、送付前にFAX頂くか、送付部品と一緒にお送りください。

Q.処理価格が知りたいのですが?

A.正式見積もりは、処理品が届いてからになりますが、大体の価格は参考価格表をご覧ください。
記載されていないパーツに関してはお問い合わせフォームよりご連絡下さい。
モータースポーツ向け処理価格表
工業向け処理価格表

Q.個人でも依頼できますか?

A.個人のお客様も当社販売会社『フリクション 』にて対応しております。

Q.納期はどのぐらいかかりますか?

A.納期につきましては約1週間です。
お急ぎの場合は別途ご相談下さい。

Q.発注ロット(最低)はあるのですか?

A.発注ロットはありません。1個からお受け致します。お気軽にご依頼ください。

Q.処理以外に掛かる費用はありますか?

A.処理を行う製品の運搬費、及び梱包代、代金支払いに生じる手数料はお客様のご負担になります。

Q.料金の支払いはどうすればよいですか?

A.代引き、またはお振込みをお選び頂けます。
※代引き、振込み手数料についてはご負担下さい。
※30,000円以内の代引き手数料で@600円です。

お振込み先
城南信用金庫 淵野辺支店
普通 411125
(株)不二WPC カ)フジダブリュピーシー

Q.どこに送れば良いのでしょうか?

A.送付先
株式会社 不二WPC
〒252-0331 神奈川県相模原市南区大野台4-1-83  工業団地 Sia神奈川内
TEL:042-707-0776
処理品到着後、検品をさせて頂き、納期確認希望のお知らせの方にはご連絡を致します。

Q.送る際の注意点はありますか?

A.梱包、送付に関してのご注意

  • 処理部品は単体にして送付下さい
    (ボルト、ナット、ベアリング、圧入されている部品等を外して下さい)
  • 重量物(クランク、シリンダ等)を段ボールで送る場合、底が抜けしないようにご注意願います。
  • お互いの部品が干渉しないように厳重に梱包をお願いします。
  • ピストン、メタル等で組み付け場所などが決まっているものはマーキングや袋等、解るようにしてください。
  • 小さいマーキングだとWPC処理で消えてしまう場合があります。また油性ペンではなく、ペイントマーカーでご記入下さい。
  • ピストンリングのように上下があるものに処理をしますとわかりにくくなる場合がありますので、上下がわかるようにしてください。
  • 依頼書に希望の処理内容や希望納期、連絡先を記入して下さい。

DLCをご希望のお客様
DLCコーティングは材質、他の表面処理の種類によっては施工できない場合があります。事前に良くご相談の上、ご依頼ください。

表面処理についてのご相談やご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい

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