スーパーDLCコーティング®

スーパーDLCコーティング®

ダイヤモンドライクカーボン(DLC : Diamond-Like Carbon)は、1種類ではなく製造方法や成膜条件で様々な種類のDLCがあります。大きくは、原料にガス(炭化水素ガス)を使用するもの(水素含有DLC、 a-C:H)と固体(グラファイト)を利用するもの(水素フリーDLC、 a-C、 ta-C)に分けられます。DLCの硬さは膜の密度(詰まり具合)に依存しますが(図1)、水素が入っていると水素が邪魔をして密度が上がらず硬さに限界があります(それでも20-25GPa:ビッカース換算で2000-2500Hv程度あります)。

ダイヤモンドに近い硬度のDLC膜を作製する場合は、固体(グラファイト)を利用する必要があります。固体(グラファイト)を原料としてDLC膜を作製する方法には、スパッタ法、真空アーク法など物理的気相成長法(PVD)あります。PVD法により、DLC膜を作製する場合でも、成膜に使われる炭素(C)イオンの量やエネルギーにより、硬さ(膜の密度)が異なります。ダイヤモンドに近い硬度のDLC膜を作製する場合は、多くのイオンによる衝撃が必要となってきます。現在のところ、実用的に高硬度の膜を作製する方法は、真空アーク法によるものが殆どです。

真空アーク法は、その名の通り真空中で材料(グラファイト)にアーク放電を発生させ、放電で出来る炭素(C)イオンにより、DLC膜を作製するために、多量のイオンが利用でき、その衝撃でダイヤモンドに近い硬度のDLC膜を作製することが可能です。ただ、真空アーク法では、材料(グラファイト)にアーク放電を発生させるために、放電の衝撃でグラファイトの微小な破砕片が発生に膜に混入するという問題点があります。DLC膜中への破砕片の混入は、膜硬度の低下、摺動時の破砕片の脱落による凝着の原因、相手材への攻撃や膜剥離の要因となります。

スーパーDLCコーティング®は成膜プロセスの改善・工夫によりそうした破砕片を極限まで低減したDLC膜です。そうすることにより膜硬度は80GPa(Hv換算8000)というダイヤモンドの硬度に近い高硬度の膜の生成が可能となっています。スーパーDLCコーティング®は非鉄材料切削用の工具やレンズ金型に使われています。

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スーパーDLCコーティング®リューターの切削テスト

スーパーDLCコーティング®のテストを収めた動画です。テックアート様にて切削テストを行ないました。
スーパーDLCコーティング®したリューターはアルミの凝着がなく、切削性も良い。
切削面もキレイで作業効率もアップ。工具も長寿命化で費用対効果もあります。

処理可能な、工業関連部品

スーパーDLCコーティング®は、以下の工業に対して主に処理を行なうことができます。

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