「DLC被覆による転動疲労寿命の延長」 熊谷正夫(神奈川県産業技術総合研究所)、高木眞一(神奈川県産業技術総合研究所)、矢ヶ部文哉(ジャトコ)、神保嘉雄(ジャトコ)、長谷川祐史(オンワード技研)
ギヤなどの高負荷摺動部品の耐疲労(耐ピッチング)特性の向上を目的に、DLC皮膜形成を行ったところ、以下の結論を得ることができた。
DLC皮膜形成により、100倍以上の疲労寿命延長の効果を得ることができた。
DLCの低摩擦による剪断力の低減が疲労寿命延長の要因と考えられる。
長寿命試料表面はナノ結晶化しており、金属組織の変化が疲労寿命の延長に寄与していると考えられる。
ナノ結晶化の要因としては、繰り返し高負荷による加工歪みの蓄積によるものと考えられる。
表面被覆によるトライボロジー的な応用では、皮膜特性だけでなく基材の金属組織学的検討が必要である。