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表面処理Q&A

工業

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WPCやDLCなどの表面改質とはどのようなものですか?

表面改質とは各種部品(材料)の表面に加工を施して、部品(材料)を高機能化(強度を上げる、傷つきにくくする、滑りをよくする等)する処理です。表面改質には、
(1)部品(材料)の表面を変化させるもの、
(2)表面に皮膜を形成するもの、
の2つの方法があります。

(1)部品(材料)の表面を変化させるものは、材料の特性によるので高機能化の内容に制限がありますが、(2)などで問題となる剥離などは起きません。熱処理、WPC処理®はこの方法です。
>モータースポーツ向けWPC処理®
>工業向けWPC処理®

(2)表面に皮膜を形成するものは、特性を自由に加えることができますが、元の部品(材料)との間に界面(境界)があるために、膜の剥離などが生ずる可能性があります。化成処理、メッキ、薄膜形成などはこの方法です。
>モータースポーツ向けDLCコーティング
>工業向けDLCコーティング

処理の目的は?

WPC処理®は、金属表面処理の一種で金属の疲労強度向上と摺動性向上を主目的に処理されます。

では「疲労強度向上」とはいったい何のことでしょうか?金属は繰り返し力がかかるとだんだん強度が落ちてきます。例えば、材料の最初の強度が100とした場合、100より大きな力がかかると壊れます。逆に100以下の力であれば壊れません。しかし、50や60という強度的には壊れるはずがない力でも、それが何万回、何億回と繰り返しかかることにより壊れてしまうことがあります。これが金属疲労です。また、バネがヘタる(弱くなる)のも金属疲労が原因です。

ここがポイント!WPC処理®は金属の強度を上げるのではなく、この金属疲労に対して非常に強くなります。ですから、ある力が加わると1回で壊れてしまう部品に処理をしても、壊れなくなる可能性は少ないと言えます。これは、材料の強度が足りないからです。逆にしばらくは持つけど何回かすると壊れてしまう部品に処理すれば寿命が延びたり壊れなくなる可能性は大きいと言えます。

「摺動性向上」とは、滑りを良くして、摩耗を減らすということです。摺動抵抗の低減により車のパワーは僅かに上がりますが、大幅なパワーアップは期待しない方が良いでしょう。 それよりも、摩擦熱の減少、焼き付き防止による耐久性の向上、レスポンスの向上が期待できます。

WPC処理®とはどのようなものですか?

WPC処理®は40~200ミクロンの粒子を、材料に対して100m/sec以上の高速で投射し、表面を加工する処理です。ショットピーニングの一種ですが、粒子が小さく投射速度が速いため、様々な効果(疲労強度の向上、耐摩耗性の向上等)や新しい機能(表面に凹凸を形成し潤滑機能を向上する等)を材料表面に付け加えることができます。
>モータースポーツ向けWPC処理®の効果
>工業向けWPC処理®の効果

DLCとはどのようなものですか?

DLCはダイヤモンドライクカーボン(DLC : Diamond-Like Carbon)の略称で、ダイヤモンドに近い硬さ、平滑な表面を有しているところから耐摩耗性や潤滑性能が優れていることから、加工用工具、歯車などの構造部材などに広く使用されつつある硬質薄膜です。実際には、作製方法の違いにより様々な種類があり、使用目的や使用材料に合わせた膜種の選択が重要になっています。
>モータースポーツ向けDLCコーティング
>工業向けDLCコーティング

WPC処理®はどの様な効果がありますか?

WPC処理®は、バネ材や構造材などの疲労強度の向上や表面硬化による耐摩耗性の向上に用いられています。また、金型などの表面形状形成による寿命の延長も実現されています。
DLC処理は、歯車(ギヤ)などの摺動部の低摩擦や耐摩耗性の向上に効果があります。
WPC処理®
DLCコーティング

WPC処理®はどの様な効果がありますか?

WPC処理®は投射する粒子の硬さや延性と投射される(処理される)部品(材料)の硬さや延性によって効果は異なります。即ち、投射する材料(メディア)を選ぶことにより必要な効果(機能)を付加する事が可能です。

主として
(1)比較的硬い部品(材料)により硬い材料で処理をすると表面が硬くなり残留応力が増加するため耐摩耗性や疲労強度が向上します。
>モータースポーツ向けWPC処理®
>工業向けWPC処理®

(2)硬い部品(材料)に軟質かつ延性材料で処理すると投射した材料の被覆が出来ます。例えば、二硫化モリブデン(MoS2)やスズ(Sn)を投射してMoS2、Snの皮膜を形成し、摩擦の低減や焼き付き防止が可能です。
>モータースポーツ向けハイパーモリショット
>工業向け二硫化モリブデンショット

(3)軟質・延性部品(材料)に軟質・延性材料を投射するとそれぞれの複合組織が形成されます。
アルミニウム合金へのDLC被覆のための下地処理に用いられています。本技術は開発中の技術であり、アルミニウム合金の耐摩耗性ほか銅合金、マグネシウム合金やチタン合金等の各種材料への応用が考えられます。
>モータースポーツ向けDLCコーティング
>工業向けDLCコーティング

(4)投射する粒子の硬度や粒径を選ぶことにより表面に細かい凹凸(マイクロ・ディンプル)が形成されます。マイクロ・ディンプルは摺動部とりわけ油潤滑の場合油ダマリの効果により摺動性、耐焼き付き性を向上させ、摺動材料の低摩擦化、金型寿命の向上などが実現されます。また、DLC被覆の下地処理として密着性向上も検討されています。
>モータースポーツ向けWPC処理®
>工業向けWPC処理®

WPC処理®による表面硬化の機構は?

疲労(金属疲労)は、振動などで材料に繰り返し引っ張る力がかかることで発生します。材料が変形しないような小さな力でも、微視的に見れば表面から小さな割れが発生し、少しずつ進行して壊れる現象です。現在では、(金属)材料の壊れる原因の80%以上が疲労破壊といわれています。WPC処理®は、(金属)材料の表面に大きな圧縮応力を加えます、圧縮応力により引っ張る力を低減することができます。また、WPC処理®により金属材料の微細化が出来るため、疲労破壊のきっかけとなる、表面の微細な切欠けや硬さの不均一を無くす効果もあります。

材料の硬さも圧縮残留応力と金属組織の微細化に関係しています。圧縮残留応力と硬度は相関していて応力が入ると硬度が高くなります。また、金属組織のサイズと硬度も関係があり(ホール・ピッチの法則)組織が微細化すると同様に硬くなります。一般に、材料が硬くなると脆くなりますが、結晶粒の微細化による硬化は脆くなりません。従って、WPC処理®による表面硬化は、傷がつきにくく疲労破壊に対しても有効です。

更に詳しい説明は技術資料  をご確認ください。

WPC処理®やDLC被覆によってひずみや寸法変化は出ませんか?

WPC処理®やDLC被覆などの表面改質による歪や寸法変化は、問題にするレベルに依ります。DLC被覆では1um程度の皮膜を形成するので、両面では2um程度厚くなります。また、WPC処理®では条件に寄りますが、積極的に凹凸を形成しますので凸部の分の形状の変化があります。基本的には、歪や寸法変化はないと考えられますが、ミクロン・メータ(um)レベルの変化を問題にする場合は、処理前後の計測が必要となる場合があります。

WPC処理®の可能な物は?

金属であれば、ほとんどのものが処理可能です。例えば、ギヤのような鋼、ピストンのようなアルミ及びアルミ合金、オイルポンプのような焼結合金、クランクシャフトのようなダクタイル鋳鉄、メタルのようなスズや鉛の合金、そのほか、チタン合金などなど。さらに、硬質クロームやTiN等のメッキや、窒化、浸炭などの表面処理の上に処理する事により相乗効果が発揮されます。また、メッキ等の前処理にWPC処理®をすると、密着性がよくなります。

WPC処理®の効果が期待できない物は?

処理はどんなものでも出来ますが、効果が期待できないものとして次のようなものが挙げられます。

■洗浄が十分に出来ないもの
処理により微細なショット、特に仕上げに使うショットが残ります。通常洗浄すればきれいに落とすことができますが、分解できないベアリングや油穴が複雑でトマリ穴のあるシリンダーブロック等はなかなか完全な洗浄は困難です。

■チル化した鋳物
鋳物の中でも摺動性を上げるために、部分急冷させて非常に硬くてもろいチルという組織を意図的に作る場合があります。車の部品でいうと、カムシャフトがあります。チル化した組織は熱処理であるWPC処理®を受け入れにくいと言えます。削り出しのカムシャフトであれば問題ありません。現在、チル鋳物の標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。

■特殊な表面処理が施されたもの
通常の表面処理であれば問題ありませんが、一部特殊な表面処理をした部品があります。例えばロータリーエンジンのハウジングが挙げられます。硬質クロームのポーラスメッキかと思われますが、このようなものは処理により摺動性を向上させる面を作ることが出来ません。
現在、ロータリーハウジング類の標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。

■金属以外のもの
ゴム、プラスチック部品に二硫化モリブデンショットを施すことにより、摺動性を大幅に高める事ができる可能性があります。

どのぐらいの大きさまで処理できますか?

通常であれば、WPC処理はΦ800*400Hぐらい。φ100以下であれば3000ぐらいまで処理可能です。DLCコーティングはΦ250*800L。それ以上の大きさについては図面をお送り頂ければ、対応可能かご連絡します。

内径は処理できますか?

WPC処理は貫通しているか、長さなど条件はありますが、処理可能です。 DLCコーティングはほぼコーティングできません。

食品、医療、薬関連の部品に使用しても害はありませんか?

WPC処理は表面改質ですので、コーティングのように剥がれることはありません。※フッ素コーティングではコーティングの剥がれから異物混入の問題になっているため、代替えの処理として採用が増えています。 DLCは炭素のコーティングですので、人体と反応しません。実際に人体と接触する医療器具にも採用されています。 公的機関にて安全が確認されています。

DLCコーティングができない材質は?

基本的に導通性がないとコーティングできません。

ステンレスへ処理を行った場合、錆びたりしませんか?

ステンレスにWPC処理、DLCコーティングを行っても錆を促進させることはありません。

保証期間は有りますか?

保証期間は特にありません。当社が処理を行いました製品について、何かありましたら「お問い合わせ」フォーム、又は電話(042-707-0776)よりお問い合わせ下さい。