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表面処理Q&A

WPC処理

WPC処理

金属表面の酸化被膜はWPC処理で剥がすことができますか?

基本的には電解研磨など化学的な手法で除去します。WPC処理というよりもブラストで除去が可能です。ただ大気中ではすぐ酸化膜は生成します。

WPC処理で金属の硬度はあがりますか?

金属表層に塑性変形による転位等の材料欠陥を導入する手法なので硬度は上昇します。

超硬にWPC処理を行うとディンプルは形成されますか?

超硬やセラミックなど塑性変形しにくいものにはディンプルは形成されません。処理条件を過酷にすると、結晶粒の破壊・脱落や粒界のズレによる形状形成の可能性はあります。

WPC処理でメッキやコーティングの剥離はできますか?

硬質膜の場合はWPC処理などの方法は有効です。メッキやコーティングの剥離は下地材を傷める可能性があるため工夫が要ります。

WPC処理で形状変化は起こりますか?また粗さはどうなりますか?

表面層に圧縮応力が付与されるので形状変化は起きます。変化量に関しては形状や部材の厚みに依存します。厚みが薄い程影響が大きいです。
粗さに関しては元の粗さに依存します。鏡面に近ければ粗さは大きくなりますが元の粗さが大きい場合は粗さが小さくなる場合があります。

WPC処理で圧縮残留応力はどのぐらいの深さまで入りますか?

ショットピーニングによる残留応力は弾性変形によるものだと、粒径が大きくなると深くなります(これはヘルツ応力で計算できます)。

WPC処理(微粒子ピーニング)では表層の塑性変形によります。標準的(鉄鋼材料で標準条件)なものでピーク位置は10μmで30μm程度の深さまで入ります。

WPC処理で靭性はどのぐらい向上しますか?

破壊靭性は亀裂進展に対する抵抗力ですので、圧縮残留応力の付与で一般的には向上します。材料の種類や処理条件で向上具合は変わります。

WPC処理の施工時間によって表面粗さは調整できますか?

施工時間によって表面粗さの調整は可能です。投射材、投射圧力、距離を変える方が有効です。

TiNなどのコーティング後にWPC処理をするメリットはありますか?

CVD膜などは引張から圧縮に膜応力が変更可能です。一般的には圧縮応力は増加します。場合によっては膜の結晶構造の変化の可能性があります。

WPC処理で出来るディンプルの大きさ深さはどのぐらいですか?

基材や投射する粒子の硬度や処理条件により異なりますが、典型的な例で径10~20µm、深さ1~3µmです。

WPC処理で得たディンプルの効果はどれぐらい継続しますか?

基本的には,材質,使用条件(負荷圧力,潤滑油等)などに依存するので,一概には言えません。

WPC処理とショットピーニング&ブラストショットの違いはなんですか?

ショットピーニングは基材(処理品)表面を変形(塑性,弾性)させて圧縮残留応力を付与する処理(従って,使用する粒子は球状),ブラストは表面層(塗膜,錆等)を削る処理(従って,使用する粒子は角状)。WPC処理はショットピーニングの一種で数10μmの微粒子を使う処理。

WPC処理はプラスチックにも出来ますか? またメリットはありますか?

処理そのものは可能ですが,プラスチックの機械的特性はむしろ低下します。しかし,微細凹凸の形成が可能なので,粉体付着対策や表面物性改善(濡れ性など)には有効です。当社ではMD(マイクロディンプル)処理と読んでいます。

一度WPC処理®をしました。再度WPC処理はできるのですか?また効果はでますか?

WPC処理は何度でも処理可能です。ハイパーモリショットなどは使用していると処理効果が少しずつ低減しますので、再処理することで、効果を持続させることが出来ます。

WPC処理®の効果はどの程度持続しますか?

WPC処理®は永久に使用できるものではありません。摩耗等により処理部は少しずつなくなってきます。しかし、有効な処理がなされていれば寿命は1桁以上の向上がなされますが、再処理が必要な場合があります。
WPC処理®の効果は処理それ自体の効果と初期なじみの向上があります。初期なじみが有効な場合は、処理部がなくなった場合でも、十分な摺動性が確保されより長寿命が確保されます。
疲労強度は使用状況によって変わりますが、1.2~3倍ほど、物によってはそれ以上に寿命が延びています。

WPC処理で得たディンプルの効果はどれぐらい継続しますか?

基本的には材質、使用条件(負荷圧力、潤滑油等)などに依存するので一概には言えません。

WPC処理とDLCの複合処理はメリットがありますか?

メリットは,WPC処理で形成される表面形状(油だまりなど,潤滑性を発現します)の維持ができます。また,凹凸により不均一な力がかかるためDLC膜に微細亀裂が入り,変形追随性が向上し,下地変形による剥離に強くなります。

WPC処理とショットピーニング&ブラストショットの 違いはなんですか?

ショットピーニングは基材(処理品)表面を変形(塑性,弾性)させて圧縮残留応力を付与する処理(従って,使用する粒子は球状),ブラストは表面層(塗膜,錆等)を削る処理(従って,使用する粒子は角状)。WPC処理はショットピーニングの一種で数10μmの微粒子を使う処理。

超硬にWPC処理を行うメリットはありますか?

超硬合金の特長は,高硬度であることから,耐摩耗性があることです。一方,壊れやすいと(破壊靭性が低い)といった欠点があります。WPC処理で破壊靭性が向上します,その場合,処理条件によっては欠陥を形成し,逆に,破損しやすくなります。当社では,処理条件を確立し(特許取得済み),最適な処理が可能です。

WPC処理とMD処理の違いはありますか?

基本的な工程は一緒ですが,WPC処理は疲労強度,表面硬化等機械的特性向上を目的とした処理条件で処理をしています。一方,MD処理は,食品粉体等の付着抑制のための表面形状作製を目的とした処理条件で処理をしています。

WPC処理はコーティングですか?

基材そのものの改質で,コーティングではありません。

WPC処理のメリット・デメリットは何ですか?

メリットは,疲労強度の向上,表面硬化,表面形状形成による潤滑性の向上です。
デメリットは,特にありませんが,表面形状形成は表面粗度が低下します。

WPC処理®はどの様な効果がありますか?

1.疲労強度が上がる(壊れにくくなる)
疲労強度は使用状況によって変わりますが、1.2~3倍ほど、物によってはそれ以上に寿命が延びています。

2.滑りが良くなる
レスポンスや操作性向上、燃費向上、油温、水温の抑制をします。 フリクションの低減率でいうと5%以上の効果を発揮した場合もあります。

3.部品の摩耗を抑える(部品寿命の延長)
材質によって違いますが、表面硬度は約1.5~2倍硬くなりますので、摩耗抑制します。

4.オイル保持力が上がる。
WPC処理によってできたディンプルにオイルが溜まりやすくなり、焼付きにくく、滑りが良くなります。またオイルの冷却効果も期待できます。オイルをうまく利用でき、くさび膜、絞り膜効果が発揮しやすい状況になり、部品と部品が接触しにくい混合または流体潤滑状況になり、フリクション低減になります。
などの効果があります。

WPC処理®は寸法変化、歪みはできませんか?

WPC処理は寸法変化はありません(厳密に言えば1μ以下で(1/1,000㎜)でマイナス公差になります)
厚さが3mm以下の場合、歪みが出る場合もあります。

WPC処理®は何種類ぐらいの方法があるのですか?

WPC処理®は部品の材質や使用状況に合わせ、投射する材質や粒径、投射速度を変えます。
また潤滑性の良い二硫化モリブデン(MoS2)やスズ(Sn)を投射して潤滑皮膜を形成し、摩擦の低減や焼き付き対策ができますので、
部品によって2工程、3工程の物があり、組合せを考慮すると数十種類になります。

どのぐらいの大きさまで処理できますか?

ほとんどの自動車用部品であれば、処理は可能です。V12クランクまで施工した事があります。
シリンダーは6気筒以上の場合はお問い合わせ下さい。

内径は処理できますか?

WPC処理は貫通している事や長くて細すぎない事など条件はありますが、処理可能です。

部品の一部だけ処理したい場所があります。マスキングできますか?

はい、マスキングできます。マスキングはWPC専用マスキングテープを使用しています。部品にマーカーやテープを使ってマスキング箇所をご指示下さい。

ハイパーモリショットとはどういったものですか?

一般的にモリブデンと聞くと、硬い素材だと思う方も多いようですが、モリブデンは様々な種類があります。ハイパーモリショットに使用されるモリブデンでは二硫化モリブデンというロウソクのろうぐらい軟らかい材質で、トランプのように積層(1μの中に1600枚)しているものです。これが荷重が掛かると一定方向に滑る事でフリクション低減になります。その他の固体潤滑剤も混合し、二硫化モリブデン単体よりの処理よりも耐熱性、潤滑性が向上する処理です。

WPC処理®の効果が期待できない物は?

処理はどんなものでも出来ますが、効果が期待できないものとして次のようなものが挙げられます。
■洗浄が十分に出来ないもの
処理により微細なショット、特に仕上げに使うショットが残ります。通常洗浄すればきれいに落とすことができますが、分解できないベアリングや油穴が複雑でトマリ穴のあるシリンダーブロック等はなかなか完全な洗浄は困難です。
■チル化した鋳物
鋳物の中でも摺動性を上げるために、部分急冷させて非常に硬くてもろいチルという組織を意図的に作る場合があります。車の部品でいうと、カムシャフトがあります。チル化した組織は熱処理であるWPC処理®を受け入れにくいと言えます。削り出しのカムシャフトであれば問題ありません。現在、チル鋳物の標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。
■特殊な表面処理が施されたもの
通常の表面処理であれば問題ありませんが、一部特殊な表面処理をした部品があります。例えばロータリーエンジンのハウジングが挙げられます。硬質クロームのポーラスメッキかと思われますが、このようなものは処理により摺動性を向上させる面を作ることが出来ません。
現在、ロータリーハウジング類の標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。
■金属以外のもの
ゴム、プラスチック部品に二硫化モリブデンショットを施すことにより、摺動性を大幅に高める事ができる可能性があります。